第159回(平成30年)直木賞受賞、
2020年に真木よう子さん主演でドラマ化、
2021年に北川景子さん主演での実写映画公開が決定した「ファーストラヴ」
ファーストラブというタイトルから軽い恋愛ものと思って読むと、ビックリしてしまうかも。
登場人物の家庭問題・心の問題が明らかになり、それぞれの呪縛が暴かれていきます。
ファーストラヴのあらすじ
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。
彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。
環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。
なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。
そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
(引用元:読書メーターより)
それぞれの家庭とファーストラブ ネタバレあり!
ここからはネタバレの感想です。
環菜と父と母の3人の関係性って細い糸がピンとはった状態でずっと保っていたんだろうなあ。
父が芸術家であるからゆえのと思っていましたが。。
自分なりに曲がった解釈をしていかないと、生きてゆけない。
ただ、唯一の救いは環奈に親友と呼べる人がいたことでしょうか。
由紀と夫の我聞、義弟の迦葉。この3人の関係性も、すごーーく繊細。
最後に我聞が由紀に対して、との関係を知っていたと。告白するじゃないですか。
あの言葉で由紀はすごく救われたんじゃないかな。
そして、迦葉の由紀への愛情、由紀が迦葉から受けた愛情こそ、タイトルの「ファーストラブ」なのかなと解釈しました。ラブ(愛)といっても、親からの愛情や初恋のような愛情、いろいろとあるからこそ、
一般的な初恋のようなファーストラブではなかったにせよ、あの時間があったから、生きれたんじゃないかな。
迦葉が由紀に対する想いも、本当に恋愛とは違う、同士のような気持ちだったろうし。由紀と自分の兄と3人で会った時はそりゃ驚いたけど
それでもよい関係性でいれたのは心から由紀のことが好きだからだと思うんですよね。
事件と裁判通して、当人たちの呪縛から解放されるような、そんな裁判でした。
重い話だったけど、彼ら彼女らの未来はすごく広い世界が待っているとイイナ。
そして、由紀が有名になって、沢山の人を救って欲しい。
私は、すごく偏見に満ち溢れていたと結婚してから気が付きました。
最初に読んだときは、そこまで深く深く考えれなかったです。思考が追い付いていなかったというか。
自分の人生にとっての当たり前は、他人の人生において当たり前ではないこともある。
家族との関係も、恋愛関係も、人それぞれ。
口出しすることじゃないし、そこには当人たちしか分からないことがあるですね。
島本理生「ファーストラヴ」、誰に誰がファーストラヴなのか問題
何度か読み返すと、タイトルの「ファーストラヴ」はどれを指すのか?
それはそれぞれの解釈があるけども、直木賞を受賞したときのインタビューを読むとなるほどなと感じます。
直木賞受賞・島本理生インタビュー「まだ見るか、ってくらい見てた“悪夢”のこと」
ナラタージュもそうですが、繊細な女子のこころが描かれています。そして悪い男も。
こういうズッシリとくる名作はなかなかありません。
小説も映画も面白い「ファーストラヴ」
2021年に北川景子さん主演での実写映画公開が決定した「ファーストラヴ」
2023年7月時点でAmazonプライムビデオでも観ることができます。
小説で読むとはまた違いますが、繊細な心の動きが映像でも表現されていて本当に素晴らしいです。
島本理生さんの小説原作の映画化って本当にどれも外れがなくて、うれしいです。
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