Tverで再放送していた「ハケンの品格2007」
「ハケンの品格」が放送されていたころは、私は派遣社員。毎週欠かさず観ていました。
あれから、16年が経過して、私は正社員になりました。
今観ても、胸に刺さる言葉や時代の変化を感じた感想をまとめました。
ハケンの品格2007年版の感想です。
2020年放送のシーズン2ではありません。
ハケンの品格2007のあらすじ
今や日本では300万人に迫るという“派遣社員”。彼(彼女)らなくして現代の企業は成り立たないと言っていいかもしれない。
「契約延長はしない、担当セクション以外の仕事はしない、休日出勤や残業もしない」という条件を承諾させ、人材派遣会社「ハケンライフ」から大前春子は派遣社員として東京丸ノ内にある老舗食品商社「S&F(エスアンドエフ)」の営業部マーケティング課に派遣される。
愛想がなく正社員に媚びない春子の態度は周囲から反感を買うが、実は春子の正体はあらゆる資格を持ち、特Aランクの評価を受ける“スーパーハケン”であった。 春子はどんなに大変な仕事も勤務時間内に必ず仕上げ、会社に舞い込むピンチやトラブルを次々と解決していく。
ハケンの品格2007 キャスト
マーケティング部の人々
大前春子…篠原涼子
森美雪…加藤あい
里中賢介…小泉孝太郎
浅野務…勝地涼
近耕作…上地雄輔
小笠原繁…小松政夫
春子と美雪の派遣元「ハケンライフ」の担当マネージャー
一ツ木慎也…安田顕
S&Fの職員たち
東海林武…大泉洋
黒岩匡子…板谷由夏
桐島敏郎…松方弘樹
タブラオ「カンタンテ」の人々
天谷眉子…白川由美
天谷リュート…城田優
大前春子のようにスキルの多い派遣社員はいるのか?
大前春子は残業は一切せず、お時給は3000円。
きっちり12時にお昼休憩、そして定時ぴったりに帰る春子。仕事は仕事。
丸の内の事務職でお時給3000円はすごいの一言。エンジニアとかならともかく事務職で、は規格外。
そして、ドラマの設定とはいえ、資格の多さはびっくりですが。
意外と派遣社員っていろいろな経歴があるのも事実。
派遣社員になる前は、敏腕販売員・ウグイス嬢・助産師・看護師・語学堪能とか。
大前春子のように、複数の経験があるのは無理がありますが(一体何歳なんだ!?という感じですよね)
一つの経歴ならあり得るのが、派遣社員というもの。
新卒でずーーーと同じ会社にいる社員は社内政治や人間関係にもまれてすごいなとは思うけど、広い意味での経験値は派遣社員のほうが。。というのもあったりするんですよね。
派遣社員という理不尽な立場を痛感する森美雪
森美雪は、23社の新卒入社試験に全て失敗した後、アルバイト生活を経て、ハケンライフに人材登録。
当初、職歴がない上に、Word、Excelなどのパソコンスキルもなかったため派遣先がなかなか見つからなかったが、「S&F」営業部マーケティング課で春子と同じ契約期間で一緒に派遣されることに。
顔合わせ時もあれは現実的ではないよなと思いつつ、新卒→アルバイト→派遣社員という人生な人って意外といるんじゃないかと思っています。
年齢設定的に、氷河期世代だろうし、当時は大卒だと本当に就職口がなかったからね。。
森美雪の人生でよかったことのは、S&Fで派遣社員として働いて、「ハケン弁当の立案したのに提案は自分の名前でしてはいけない」という理不尽さを学んだことだと思う。
wikipediaでは、「いつかは会社を去らないといけない派遣社員の世界に限界を感じたため」と書かれているけど、私は違うと感じています。
会社内での派遣社員という理不尽さを身をもって知ったからこそ、正社員を目指した。
お金の話もちらりとでてきたけど、時給1200円。当時なら、これはリアルな数字。
残業もそれなりにあるっぽい会社で都会住みはハードモード。
ハケン弁当の理不尽さがなくても、金銭面で詰んで派遣社員ではダメ。
早く気が付けてよかったよね。
ハケンの品格の名言
いろいろと刺さる言葉ばかりですが、それもそのはず。
脚本家の中園ミホさんが自腹で派遣社員と何度も取材と称した飲み会をして、本音を引き出しているから。
参考:ハケンの品格:脚本家・中園ミホに聞く 篠原涼子“大前春子”の誕生秘話
面白いだけではなく、心に刺さるのはリアルな派遣社員の声だからなのです。
「お時給の分はしっかり働かせていただきます」
ドラマだから、設定や現実的にそれはアウトでしょとかもあります。
が、大前春子のセリフは、派遣社員の本音といえる部分も多々あります。
その中でも「お時給の分はしっかり働かせていただきます」は本当にそうなんですよ。
私自身、派遣社員で働いていましたが、自分の業務範囲内の仕事はもちろん働きますよ。でもね、時給以上のことはしないですよ?わかっています?と何度思ったことか・・
私に支払われている「お時給=業務内容」以外のことを平気で頼んでくる社員にどれだけイラついたか。
それは私のあきらかに業務外というのは、きっぱりと断っていて変な空気にしたこともありましたねぇ。
私は会社に縛られるような奴隷にはなりたくありません
派遣社員には2種類
- 自分で派遣社員を選んでいる人
- 社員になりたいけど、派遣社員でいる人
前者は大前春子、後者は森美雪。
大前春子は、終身雇用というものを信用していないのは明白。
社員のバカらしいしがらみについて的を得たセリフ。
この頃よりも、会社に縛られる奴隷も減ってきて、「会社に縛られない生き方」という選択肢が増えたと感じています。
森美雪なら「私、会社(里中主任)のために頑張ります!」って言ってそう(笑)
派遣は3カ月に一度、リストラの恐怖にさらされるんです
「派遣は3カ月に一度、リストラの恐怖にさらされるんです。あの人は会社に甘えて、危機感がなさすぎたんです。」
嘱託社員の小笠原がリストラ対象になったときの台詞ですね。
本当に派遣社員のこの恐怖を分かっていない。
バカ社員が派遣社員(私)に向かって「来年は〇〇さんいるかなー」「なんで社員で働かないの」とか。
こちとら、リストラを承知の上で働いているんじゃ(怒)と思ったことか。。
愚か者の知恵くらべに勝者なし
香「大前さんも、昔は合コンとか良くいきました?」
春子「昔?」
美雪が代わりに謝る「先輩!すみません。」
瞳「経験豊富そうですもんね。」
香「合コンの必勝法、知ってたら教えてくださいよ。」
春子「愚か者の知恵比べに、勝者なし!」
香・瞳「はぁ!?」「どういうこと!?」
まずは、春子がどこにカチンと来たかというと「昔は」という部分。(香はイヤミとかではなく、さらっと当たり前のように言っているのがカチンする要因)
常日ごろから、派遣に胡坐をかいている、香と瞳。なぜか謝ってしまう美雪。
上っ面の魅力で釣れてしまう男なんて所詮、愚か者。
貴方たちの行く合コンには、愚か者しかいないのよということなのかな。
香・瞳が理解できない知的な返しができる春子の渾身の一撃ですよね。
「ハケンの品格」感想のまとめ
この頃は「正社員VS派遣社員」の構図だけども、今はどうなんだろうか。
派遣社員の法律も変わって、女性の働く環境も変わって、働き方も多様になって。
アンチ派遣社員の東海林主任と里中主任の会話も、時代背景を感じさせますよね。
「俺たちが新入社員の時、電話の取り方から教えてくれた業務のおばちゃんとか、残業のたびにおでんおごってくれた川崎主任…憶えてるか?みんなリストラされちゃって、これからはアカの他人のハケンが増えるばっかりだ。」
「俺はさ、あの人たちと一緒にずっと仕事したかったよ。同じ釜の飯食って、泣いて、笑って、家族みたいにさ…ずっと一緒にいられると思ってたけどな。納得いかねえよ。」
電話の取り方から教えてくれた業務のおばちゃんって、おそらく一般職の女性もしくはパートでしょ?
東海林主任が懐かしむかつての職場は、実は「まるで主婦」のような単純補助業務が女性OLの存在。
そのおばちゃんたちが「アカの他人」たる派遣社員にすり替わって、自分たちの世話をしてくれる主婦はいなくなったことを嘆いているかと思うと、滑稽ですよね。
かつての正社員OLたちは男性社員のお嫁さん候補として雇われた人もいたでしょう。
それを皮肉っている、ドラマだよなとも感じます。
正社員と派遣社員の格差・頑張るのはムダなのか問題にも書いたけど、正社員と派遣社員には格差があるし、派遣社員には超えられない壁があります。
(ハケン弁当のように・・・)
だからといって、腐っている場合じゃありません!!!
正社員OLも、派遣社員も、賃金格差や不安定雇用といった問題はどんどん広がっていますね。
できることからコツコツと。
正社員も派遣社員も関係ありません。
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